人の心に寄り添うという事は、なんと難しいことか。
今までター君の気持ちを理解したいが為に、何冊も発達障害の本を読んだり
ネットで勉強したりして、どうやったら私の目を見て彼が話をしてくれるだろうかと悩んだりもしたけれど、それはある意味、私の思いあがりだと気づいた。
本はもちろん参考にはなるけれど、それはあくまで症例であって、ター君の心の中までは書いていない。
人が傷ついた心を、そんなに簡単に開ける訳がない。
私には何が出来るかと焦っていたけれど、大切なのは「存在」だとやっと判った。
何かをしてやるんじゃなくて、ただ一緒に居る
同じ空間に居るだけでいいんだって。
そうして同じ時間を共有することを重ねていけばいい。
一人じゃないって
それが信頼出来るって
何が出来るかじゃなくて、何も出来ないってことを判ると、「時間」を共有していくことが大切なんだなぁと思った。