この歌を聴くといつもSETで思い出すのは、学校の裏にある船着場
私は転校してすぐ案の定、馬鹿たちに呼び出され「根性焼き」なるものを入れられそうになり、
面倒臭いから自分の左手首を出して煙草を吸い、血が滲む包帯を取って押し当てた。
血の匂いに混じって皮膚が焼ける匂い
ドブ川の匂い
渡し船のエンジン音
馬鹿たちの音にならない悲鳴
痛みや感情は麻痺してたのか、覚えているのは匂いと音
ただそれだけだ。
若かったんだなぁと思う。
何もかもがうざったく
怖いものも大切なものもなく
自分の中の何か燻り続けるマグマのような
その何かをどう処理すればいいのか判らなくて
いつも見えない何かに怯え、
自分を持て余していたように思う。
尾崎豊は多分、あの時死ぬべきではなかったと、私は思う。
彼自身、死ぬとは想像して無かったんじゃないか。
そしてそんな事を振り返っている自分が
一番の奇跡だ。